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あの芸人さんたちの記者会見と所属事務所の記者会見から感じたこと


14時からの会見を観ました。生放送している各番組のコメンテーターのコメントも気にしながら、まったく違う切り口からいろいろと考えを巡ってみました。

概ね、社長の会見、会社としての会見について酷評されていました。どこが悪いのかをひとつひとつ検証はしませんが、広報に携わってきた私からみても、下手くそな会見だと感じています。でもしっかりと伝わってきたこともあります。

その前に。

「録音していないか」「クビだ」というパワハラ発言も争点になっていますが、冗談だったというコメントや、事実を認めない社長のコメントに批判が殺到していますが、社長のコメントは真実。発言も事実ですし、悪気がないのも事実でしょう。

しかし今の時代において、これらは完全にアウトです。パワハラそのものです。そこを擁護するつもりはありませんし、反社会的勢力に関わること、契約に関わることも重要ですが、それと会見にいたる両者の感情は別物ですので、そこを切り離して考えます。

それぞれの会見を視点を変えることで私なりに見えてきたことは、「家庭のいざこざと同じことが起きただけのこと」じゃないかと感じていることです。

子供が叱られたくないから最初はうそをついてしまったが、バレてしまって、どうしていいかわからななくなった。父親は子供を叱りつけ、子供を守るために発言・行動をした。なんていう、どこの家庭でもあるような親子の関係。大物芸人や関西の芸人から社長へ進言している様子は、父親も信頼しているお兄ちゃんが父親に一家言しているのと同じです。

芸人さんが会見で「僕らはファミリーやと思ってる」と言いました。社長もそう思っていると思います。かわいいから守りたい。だから言うことを聞いてくれ。でも、納得してくれないなら、もっと強く言えば言うことを聞くはずだと思って発した言葉が、残念ながら思い留まるどころか、途方に暮れ家出してしまった。そんな感じがします。

引退するか、契約解除かの二択といわれていますが、そんな不利な条件をのむはずがない、選択の余地を与えないことで自分たちの言うことを受け入れてくれるだろうとの推測が外れてしまい、結果パワハラの言葉だけが残ったのではないでしょうか。

両者の会見から、芸人個人、社長個人としての想いである「ファミリーとしての絆」がみえてきます。互いの涙がそれを物語っています。うそをついてしまった。会社に迷惑をかけてしまった。ごめんなさい。という芸人さんの気持ち。なんとしてでも守ってやりたい。だから言うことを聞けという会社の気持ち。その強い気持ちが互いの方向性のズレを生んでしまった。互いに引くに引けないところにきてしまった。そんな状況となってしまったこと、互いに傷つけあったことを悔やむ涙でしょう。

会社を愛するが故の行動のズレ、社員を守りたいが故の発言のズレ。どこの会社でもよくあることではないでしょうか。それが元で退職したなんてことも珍しい話ではないと思います。会社の規模が小さく社員も家族としてみている会社ほど起こりやすいものです。

私も何度もそういう状況を見ていますし、実際に私自身も経験があります。会社への愛情が恨みにかわってしまいます。もそうならないために、お互いの想いのズレを生まないために、会社としてどう取り組むべきかを考える必要があります。

売れっ子芸人と日本を代表する芸能プロという視点から見ると、共感は得にくいですし、大企業だからできていて当たり前のこととして捉えてしまうと、ひどい会社にみえますが、本質をみると、どの会社も似たような問題を抱えているのではないでしょうか。

最後に、謝罪会見の様相だったとするコメンテーターが多く、その観点からみると、反社会的勢力とのつながりなどの回答が不十分、問題先送りなど会見の質は低いですが、この会見は、先の芸人さんたちの記者会見を受けての会見としたかったのでは。そして社長が言いたかったことは「お父さんが気持ちを察してやれなかった。もう一度話をしよう」という呼びかけだったんです。きっと。