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どんな企業でも広報活動は必要なのに、なぜ取り組もうとしないのか


会社が大きくなったら広報は必要だ。あいかわらずそんなセリフばかり耳にします。どうしても広報活動というとメディアとのリレーション、パブリシティがイメージされます。広報論を教える教授も「広報は経営に欠かせない」とパブリシティ偏重の現状に警鐘を鳴らしています。

私は日本広報学会に所属していますが、入会希望者からは「広報に従事していないと入会できないのでしょうか」と問い合わせがあると聞きました。経営における広報の位置づけではなく、広報は宣伝や認知活動の一環と捉えられているようです。

実際、企業の広報をサポートさせていただいていますが、経営陣からの相談は「人・組織」であったり、事業戦略だったりします。パブリシティの相談はほとんどありません。このネタを発信することで社内へのインパクトがありますよと、組織改革や人材育成の取り組みの一環としてパブリシティを活用するくらいです。

それ以外は、記者とのリレーションづくりです。メディアに打って出る時のために、関係を先に構築しておく。事前に企業、経営陣を理解してもらい、常にウォッチしてもらう体制を整えておく。そのためにファクトシートの作成や、懇談の機会を創出します。

広報担当者から、よくネタがなくてメディアとの関係維持が難しいという悩みも受けますが、手段はいくつもあります。その手段を考え実行するのが広報の役目というものです。もっともクライアントの広報担当者にはその手段をしっかりとお伝えしますが。

ネタが有る無しで広報業務が左右されるのであれば、広報部門は必要ありません。いかに自社の経営のために広報としてなにができるのかを常に考えていれば、やることがなくて悩むなんてことはありません。

などと偉そうに書いてしまいましたが、私もPR会社から事業会社に転職した時には、ネタ探しをしてしまいました。しかし、私に求められていたことはそんなことではなかった。幸いにも短い期間でそれに気づくことができ、広報として、経営を、かつ組織を強くするために、数千人の社員に響くアプローチを日々考えるようシフトしました。おかげさまで、経営陣から評価され、新設したばかりの広報部門のプレゼンスも高まりました。

その思考とアイデアのおかげで今があります。

広報も経営の一環と考えれば、広報活動と事業規模を結び付ける必要はありません。企業がある限り、経営も続くのです。起業家が一人で事業を行っていても、社員数数名の企業であっても経営は続くのです。

広報を経営の枠の外からみてしまうと、広報は対メディア要員になってしまいます。マーケティングが宣伝の一環から、経営において重要な位置づけと理解されたように、広報も経営の一環として昇華して欲しいものです。


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