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共感を得ないまま信頼してもらえると思ったら大間違い。広報活動をしっかりやるべき!


私は東京商工会議所のメンバーなのですが、このところ毎日ある書簡が企業から送られてきます。

その書簡とは「東京商工会議所議員選挙についてのお願い」です。代理投票の承諾書、簡単に言えば、あなたに代わって私が私に投票しておきますというものです。

知らない会社から(社名と業務内容くらいは知っている会社もありますが)突然、私に投票してくださいっておかしくないですか? 私も企業人として働いていた時にはこのような権利の譲渡の場面に遭遇していますが、その時も正直疑問を持っていました。

ある企業はA4一枚に5~6行だけ立候補への想いが書かれていますが、それで信頼を得られるなら広報活動なんて必要ありません。

送りつけてきた企業は、ある業界ナンバーワンであり評判も上々の立派な企業です。しかし東商メンバーとして社長はおろか社員の方にも一度も会ったことはありませんし、その企業のサービスも利用したことはありません。私のようなフリーランスでも東京商工会議所のセミナーや交流会に参加する機会は多くあります。しかし、そのような場に彼らのような企業が参加することはありません。

接点を持とうと思えばいくらでも機会はあり、そこに社長が参加する必要はありませんが、大きな企業です。社員が参加し、中小企業、ベンチャー、個人事業主と交流すれば、企業の具体的な印象が芽生えます。

政治家だって、選挙のタイミングでなくても、式典からお葬式、辻立ちをします。自分を知ってもらう、政策を知ってもらうために努力しているのです。

昨日今日、東京商工会議所議員選挙に立候補しようと思ったはずはありません。少なくとも来年は立候補しようともっと前から考えていたはずです。であれば、そのために活動する時間はあります。なにもしないで直前になって見ず知らずの人に「権利を譲って」では、企業の本質に疑問を感じてしまいます。

恐れずにはっきり言ってしまえば「東京商工会議所議員」は名誉職的な位置づけだったり、大きな肩書として企業が欲しがっているとも言われています。永く続くこのような選挙活動もその一因だと思います。

総務部門がこの選挙活動を担っていると思いますが、一番の目的は「当選して東商に貢献すること」です。決して「承諾書を集めるために依頼状を送ること」が目的ではありません。目的のために「当選数の承諾書を集めること」が目標です。「依頼状を送ること」だけで目標を達成できるでしょうか。

この会社がビジネスで成功しているのは、顧客に誠実であり、信頼を得ているからです。今の業績に達するまでには想像を絶する努力があったはず。この企業の「のれん」は顧客には信頼がありますが、顧客でない人々に「のれん」は通用しません。

せっかく、選挙に立候補するのであれば、これまで認知のない人々にもアピールするチャンスとして捉えられていれば、きっとこれまでにない取り組みができたかもしれません。

チャンスにこそ広報が必要でしたね。