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広報でブランドをコントロールするって本当にできること?


「広報でブランドをコントロールしたい」と、ある企業の管理職から言われました。

以前のコラム「企業ブランディングって他の誰かがやること?」でも書きましたが、ブランドってコントロールしたくてもできるものではありません。

また世間を賑わせているアルバイトの動画投稿。企業の信頼を内部から崩壊させる行為です。いくらアルバイトと言っても企業には雇用している責任があります。だから企業が叩かれるのですが、社内でもこんな状況なのに、第三者をコントロールすることなんてできません。

今週はある焼き肉店のお客さんが不衛生な行動やグラスを破壊するするなど、もはや顧客とは呼べない迷惑行為を働いた動画が拡散され、全く関係のない焼き肉チェーン店が巻き込まれ売り上げが激減する状況が起きています。

こんな状況だからこそ、ブランドをコントロールしたいという気持ちも解らなくはないですが、すべきことは別にあります。

それは企業理念の浸透です。

製品もサービスも企業理念があって生まれてきたものではありませんか。もちろん製品やサービスが先に考えられたとしても、社会にどう役立つかを考えることで、企業の理念も同時発生したはずです。製品やサービスは企業理念と一体なのです。

製品やサービスの評価が高まると企業価値も高まります。企業に信頼感が増すと、製品・サービスも信頼感が高まります。どちらかが欠けても価値は向上しないのです。

例えばアルバイトの不祥事。著しく企業価値を下げました。改めてアルバイトの教育を見直すようなことを各社コメントしていますが、してはいけないことをマニュアルしても意味がありません。してはいけないことは無限にあります。「マニュアルに書かれていないからしてもかまわない」という身勝手な解釈のもとです。企業理念には、企業として社会に貢献するという意味が盛り込まれています。それは社会の一員としてということでもあるのです。教えるべきことは「社会人として」であって、「してはいけないこと」ではないのです。

では、今回の焼き肉チェーンのような“もらい事故”にはどうすべきか。事故は100%予防できません。起こるときには起こるものです。備えあれば憂いなし。どう備えておくべきか。それは日々の企業価値を高める行動です。

「あの店にはとんでもない客が来るから行きたくない」ではなく、「あの店はいつも客層が良い。たまたまそんな客が来たのかもしれないが、いつもいるわけではないから、また行こう」と思ってもらうためにどうするか。これが重要です。

そもそも「コントロール」という発想が間違っていませんか。外資系企業がコントロールという語彙をどう使っているかは判りませんが、英語のニュアンスを理解できて使うならともかく、単純にコントロールという言葉を使うと解釈を間違えてしまい、結果、本質を見落としてしまう恐れがあります。

別に英単語を使わなくてもいいじゃないですか。「ブランドの価値づくり」でいいじゃないですか。


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