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広報はどこに問題があるのかを理解しておくこと。真摯な対応を欠くと印象が悪くなる


追手門学院の職員研修で外部講師の「腐ったミカンは置いておけない」発言が問題になっています。

これ、外部講師の問題だけでしょうか? というのが、今回のテーマです。

この発言を、職員に向けるのは確かに問題です。大学側は、「学修者本位の学院の実現には主体性が求められ、消極的な受講姿勢を指導した発言です。改善後、講師は称賛のフォローをしています」と回答しています。かなり強い言葉を使う講師もいますので、この研修が行われる前に、どのような講師なのかは知りえたはずです。

講師派遣の会社も多数あり、ネット上で講師を選択し、研修当日に初めて顔を合わせるケースも多いのは事実ですが、それでも、本番前に打ち合わせは行っているはずです。もし、講師が研修に熱が入り、このような言葉を発したのであっても、その場で止めることもフォローすることもできたはずです。それができていれば、ここまで問題になることはなかったのではないでしょうか。

もし、受講者の態度がとても悪く、研修を行える状況になかったとしても、この発言は問題ですが、また、違った問題が浮き彫りになったはずで、この発言だけが取り上げられることはなかったでしょう。そう考えるとこの発言は「行き過ぎた演出」であったのかもしれません。

大学側の回答には「講師の発言に不適切な部分があったことは、本学院でもその場で把握し、その日のうちに委託先に対して改善を申し入れました」とあります。ここでのポイントは「その場」と「その日のうち」です。これは事実でしょう。知っていた、対策した、ことを伝えています。しっかりと練られた回答です。ただ、対応・対策・報告で欠けていることがあります。

それは、「数人が退職や休職した」と報道されたことへの回答です。

これは、参加者に取材し知りえた内容のようですが、もし事実と異なっていれば、そのような事実はないと回答しているはず。この発言により本当に退職や休職があったのなら、とても大きな問題です。これに一言もふれていない理由はなんでしょうか。

精神的に追い込まれた職員への配慮でしょうか。もしそうなら、その旨を述べればいいのです。すでに対策しているのであれば、そう述べればいいのです。

読者・視聴者の意識は、発言そのものと、この発言で精神的に追い込まれた人の今後です。大学側は発言へのフォローはそつなくこなしていますが、人の問題には触れていません。これが、なんとなく後味の悪いといいますか、教育機関として不安を残す要因です。

はっきり言ってしまえば、この問題を自分事として捉えていないということでしょう。 発言自体は講師に責任があったとしても、職員への対応は大学側が行うべきことです。講師の発言が引き金だから、大学側は関知しないでは済みません。

自分たちの問題は自分たちにあることを忘れてはいけません。