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広報は啓蒙と啓発を使い分ける


啓蒙と啓発、違いはわかりますか。

ざっくり言うと啓蒙は「教えてあげること」、啓発は「気づかせること」です。

なんでもかんでも啓蒙という言葉を使う人がいますが、意味が違うのできちんと使い分けましょう。

では、どう使うのか。

例えば、どちらがしっくりきますか?

A:特殊詐欺被害防止のための啓蒙活動 B:特殊詐欺被害防止のための啓発活動

どちらも実際に使われている言葉なのですが、ある企業は啓蒙ですが、行政をはじめ圧倒的に啓発が多いようです。これ、この企業がちょっと解釈を間違えているかも。詐欺にあわないようにと教える活動なので、啓蒙と使われたのかもしれませんが、もしくは啓蒙と啓発を混同してしまっている可能性も・・・

特殊詐欺の手口を知ることで、被害にあわないように気をつけましょうと呼びかけているものですが、啓蒙、つまり教えてあげることだけでは、自己防衛の意識は芽生えにくいのです。ほとんどの人は特殊詐欺の被害に遭いたくないですが、自分はそんな彼らの手口は知っているので引っかかるわけがないと思いがちです。つまり、詐欺に引っかかるなと教えることより、自己防衛しないといけないことに気づかせる、だから啓蒙ではなく啓発となるのです。

次に、企業理念の浸透のためには啓蒙がいいのか、啓発がいいのか。

企業理念は、企業としての使命や価値観を言葉にあらわしたものです。マニュアルではないので、具体的な指示があるわけではありません。この言葉をどう解釈し行動するかであって、社員全員がまったく同じ行動をとることはありません。社員それぞれに企業理念を理解し行動を促すには「啓発」がしっくりきます。

もうひとつ、社員がきちんと守っていないルールを周知徹底するためには啓蒙がいいのか、啓発がいいのか。

例えば、遅刻してはいけないというルールを守らせるには、遅刻してはいけないことを教え込まなければいけません。本人が気づく気づかないにかかわらず、遅刻してはいけないのです。遅刻してはいけない理由からなんてことはありません。社員である限り、会社のルールを守ることは原則絶対です。できないなら教え込まないといけないことです。これは「啓蒙」です。(もっとも「遅刻しない」は当たり前のルールなので「命令」ですね)

以前、あるPR活動のコンペで受注した際に、全体の講評を受けたのですが、「啓蒙と啓発の言葉の使い方が適切だった」ということがありました。コンペに参加した他社は、すべて啓蒙という言葉だけを使っていたため、適切な活動は困難だと判断したそうです。

言葉ひとつで、明暗は別れることもあるのです。広報は適切な言葉の選択を余儀なくされているのです。信用を勝ち取るためにも「啓蒙」「啓発」をきちんと使いこなしましょう。


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