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社内広報を始めるにはどのくらいの社員規模が必要なのか


社内広報は組織マネジメントであり、社員の意識を高め、会社を好きになる、会社を辞めない人材をつくり、社内外から評価される会社づくりだと説明しています。

そうすると「何人くらいの社員規模から必要ですか」と質問を受けます。究極を言うと経営者おひとりでも企業価値を高める必要がありますから、そこに企業があれば必要ということになります。

ひとりなのに社内広報って、と思われますが、社内広報は「企業の姿勢」と捉えてもらえばわかりやすいかもしれません。ひとりだからこそルールが存在しにくいのです。ひとりだと勤務時間というルールもあってないようなものですし、無茶な要求に応えたり、受けたくない仕事でも受けてしまうなど、創業の志を曲げてしまうこともあります。とはいえ、おひとりならご自身がしっかりと意識すればなんとでもなりますが。

“おひとりでも”は極端すぎますが、これが数人になればどうでしょう。数人しかいないから勤務時間を守らなくても管理できる、無茶な要求があればその都度相談してくれたらいいという発想になりませんか。その段階で組織マネジメントは正しく機能していないのです。

ある有名なデザイナーの方とお仕事をしたことがあるのですが、そのデザイナーの会社の社員は数人しかいません。しかし、すべてが徹底しているのです。その取り組みは何度もメディアで紹介されましたし、書籍にもなっています。これまで世に出したデザインも素晴らしいものですが、組織のデザインも完成されています。規模が小さいから徹底できると思われがちですが、小さいほど“なれ合い”が横行するものです。

私もベンチャー企業に勤務していた頃、そのベンチャーは東京、大阪、名古屋に拠点があり、それぞれ数名から十数名が配置されていました。私は部長の職責で東京に勤務していましたが、まずは東京から意識改革を行いました。東京オフィスは十名しかいないので、社員それぞれの考え方を知るのには時間がかかりませんでした。企業理念に基づき、社員としての姿勢の理解を促します。それぞれの個性を尊重しながら、それぞれが何をすべきかに気づかせるのです。

それによりミーティングでの自分本位な発言が激減しました。みんなが会社のことを考えた発言に変わったのです。このベンチャー企業で行った取り組みは、前回のコラム「広報活動はどんな企業でも活かせるのに、なぜ取り組もうとしないのか」で書いた、事業会社で広報責任者時代に店舗や各店舗を管理するエリア向けに取り組んだ手法です。単なる組織のひとりではなく、組織の一員としてどう行動するかを気づかせたのです。

社員数数千人の大企業でしたが、それぞれの店舗は数名で運営されています。全社向けの取り組み、店舗という小さな組織向けの取り組み、違いがあるようにみえて伝えるべき本質は同じです。

もしかしたら社内広報という言葉がわかりにくく、かつ自分事(自社事)になりにくいのかもしれません。社内広報の目指す先は社内外から評価される会社づくりですので、規模の小さい会社には社内広報というよりも、企業広報として考えていただいたほうがしっくりくるかも知れませんね。


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